12年の歳月
お元気様です!23年内定者の鈴木晃一郎です。(火曜担当)
今回は、先日大学の研修旅行で向かった福島県浪江町の請戸(うけど)小学校についての投稿です。請戸小学校は、津波の影響を多く受けたにも関わらず、生徒・教員の犠牲者が0だったことで知られています。その校舎を被災当時の状態のまま見学することができるよう改修された小学校です。
間もなく震災から12年が経とうとしています。当時小学2年生だった私も強く記憶に残っています。この請戸小学校はなんと海から300メートルに位置していて、校舎2階の床(3階建)まで浸水したそうです。1階の天井や壁がほとんど剥がれていました。何も言葉が出ませんでした。
しかし、ここで疑問に思ったのが、海がすぐそこでここまでの被害があったにもかかわらず、誰一人の犠牲者が出なかったのはどうしてなのだろうと考えました。
順路を進んでいくと時間経過とともに何が起こったか、どんな行動をとっていたかがわかるようになっていました。地震発生からたった5分で全生徒を校庭に集め、避難をすぐに始めたそうです。全校生徒82人と少ない人数だったからできたことかもしれませんが、情報が少ない中生徒を集め、速やかに行動に移した教員の方の非常事態に冷静に判断したことは本当にすごいことだと思いました。とにかく高い所へ逃げるため、1.5km先の大平山に避難したそうです。
低学年もいる中、1.5km先の山まで逃げようと即決できる判断力が緊急時には必要だと思えました。
道中保護者が迎えに来ることもあったそうですが足を止めず、「大平山で合流」することを伝え、どんどん先へ進んだそうです。このような広い視野での状況認識の力もすごいと思いました。
話の途中ですが、1番印象に残ったのは体育館です。「卒業証書授与式」の横断幕がそのままの状態だったことです。卒業式をできずに学校を離れ、散り散りになるのはとても悲しいことだと思います。当時請戸小学校にいた生徒の人たちも私と同じ世代であるため、自分の故郷で作るはずだった思い出や楽しみを地震1つですべて変えられてしまったこと、とても悔しいだろうと思いました。
話は戻りますが、避難を続けた小学生たちはその後、たまたま通りかかったいわき市の運送業者の大きなトラックの荷台に乗せてもらえることになり、こうして無事全員避難できたそうです。
どれだけ考えて行動してもダメなときは必ずあります。しかし信じて行動すれば「運」が舞い降りていい方向に進む時もあるかもしれないと思えました。
今回、請戸小学校を見学してみて自然災害の恐ろしさを改めて知ることができました。しかし、どんな自然災害が来ても諦めずに、考えながら行動すれば、もしかしたら助かるかもしれない。という心の強さも学べました。震災から間もなく12年ということで少ししんみりした投稿になってしまいましたが、これを機会に改めて自然災害への準備や起きた後の行動をぜひ考えてみましょう。